Grand Canyon Rim to Rim to Rim backpacking 2020

アメリカでのトレイル記録

グランドキャニオン R2R2R とは?

ルートの定義:地球の割れ目を往復する極限の挑戦

グランドキャニオン国立公園における「Rim to Rim to Rim(通称:R2R2R)」とは、サウスリムから出発して深大な峡谷底へと降下し、コロラド川を渡ってノースリムまで登り詰めた後、再び同一の行程を逆方向に辿って出発地へと帰還する往復バックパッキングルートである。

  • 総歩行距離: 約42.2マイル(約67.9 km)〜 48.3マイル(約77.7 km)
  • 累積標高差: 20,000フィート(約6,096メートル)以上

歴史と生態系のロマン:ただの山登りではない「20億年の旅」

R2R2Rの真の魅力は、その過酷さの裏にある圧倒的なスケールの歴史と、ダイナミックな自然の美しさにある。

  • 20億年の地質学的タイムトラベル この行程は、地球の約20億年もの地質学的歴史が刻まれた「11の地層」を往復する垂直方向の移動だ。一歩足を進めるごとに、気が遠くなるような地球の記憶を肌で感じることができる。
  • 先住民族の聖地と古道の記憶 白人入植者がこの地に到達する何千年も前から、このエリアは11 of 先住民族にとって精神的・歴史的に計り知れない重要性を持つ聖地であった。現在ハイカーが歩いている「回廊トレイル(Corridor Trails)」は、もともと先住民族がリムと川を行き来するために使っていた古道が起源。ハバスペ・ガーデンズ(旧インディアン・ガーデン)などのオアシスも、ハバスペ族が何世代にもわたり農耕を営んでいた歴史的拠点が基盤となっている。
  • ダイナミックに変貌する生態系 ノースリムの厳かな松林から、峡谷底の過酷な砂漠気候へと、景色はダイナミックに変貌していく。トレイル沿いには太古の綿の木(コットウッド)や多様な砂漠植物が自生し、運が良ければオオツノヒツジ、ミュールジカ、リングテールキャット、さらにはピューマといった、この地独自の生態系を支える野生動物たちに出会えるかもしれない。

実際の行程スケジュール

4 days, 50 miles, and 16,500 ft elevation gain exploring all 3 rims of the Grand Canyon. (Trekked on December 4–7, 2020)

  • Day 1: Bright Angel Trailhead to Cottonwood Campground (19.6 mi)
  • Day 2: Cottonwood Campground to North Kaibab and back (14.5 mi)
  • Day 3: Bright Angel Campground from Cottonwood (8.4 mi)
  • Day 4: South Kaibab from Bright Angel Camp (7.6 mi)

Day 1:暗闇のハイクインから始まる、約20マイルのロングジャーニー

初日の朝5時。まだ周囲は一歩先も見えない真っ暗闇の中、ヘッドランプの明かりを頼りにハイクインを開始した。この日の目的地は、約20マイル先にあるコットンウッド・キャンプサイト。初日からかなりの長距離だが、一気に駆け抜ける計画だった。

ノースリムからブライトエンジェルCGまでのルートは、過去に2回(いずれも1泊2日)行ったことがあった。2回目に訪れた1月は、サウスリムから1マイルくらいの区間トレイルが凍結しており、軽アイゼンを使用した思い出が蘇った。そのため、今回も12月という時期を考慮してクランポンを持参してはいたが、幸いにも凍結箇所はほとんどなく、出番はなかった。ただ、やはり12月の早朝のリムは、過去の記憶通り肌を刺すような極寒だった。

初日は距離こそ長かったものの、コロラド川まではひたすら下り坂で、そこからコットンウッドCGまでの区間もほとんど平坦な道のりだったため、予想していたほどの疲労は感じなかった。

シエラやロッキーでのバックパッキングに比べると、グランドキャニオンのトレイルは綺麗に整備されていて歩きやすく、キャンプ場にはトイレも完備。人気ルートと言われる所以がよく分かった。コロラド川を越え、コットンウッドへと続くキャニオン沿いの景色は、息をのむほど美しく贅沢な時間だった。

Day 2:身軽なデイハイクで挑む、ノースリムへの往復

2日目は、コットンウッドCGをベースキャンプにして、ノースリムへデイハイクで目指した。

往復の総距離は約15マイル。ノースリムに向かって当然登り基調にはなるが、デイハイクなので足取りは軽かった。

「グランドキャニオン=荒涼とした乾燥地帯」というイメージを持たれることが多いが、ルート上の至る所に豊かな水源があった。今回の旅でも水の補給に困ることは一切なかった。

やがてノースリムのトップに辿り着いたが、景色が良いわけではなかった。なのでノースリムで1泊するよりも、デイハイクで行ってコットンウッドへ帰ってくるという今回のプランが正解だったと確信した。

Day 3〜4:思い出のキャンプ地を経て、ゆとりの生還

3日目、ここから再び20マイルを歩いて一気にサウスリムまで登り返して帰る、という選択肢もあったが、しかし、後半の登り一辺倒で体力を使い果たすよりは、旅をじっくり味わいたいと考えて、3日目は「ブライトエンジェルCG」でもう1泊する計画にしてあった。結果として、この判断も正解だった。

ブライトエンジェルCGでキャンプをするのは、2005年、2010年に続いて人生で3回目だった。テントを設営しながら、当時の思い出が次々と蘇り、なんとも言えない懐かしい気持ちに浸ることができた。

無理のない3泊4日の行程を組んだおかげで、旅の前に想像していたような「限界突破のキツさ」はなく、最後まで肉体的・精神的なゆとりを持ってグランドキャニオンの壮大さを楽しむことができた旅になった。

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