Distance: 10 miles (approx. 16 km)
Deer Meadowの美しい森に守られ、昨夜よりは寒さが和らいだとはいえ寒かった朝。しかし、連日の極寒による睡眠不足のせいか、体が思うように動かない。結局、9時までキャンプサイトで停滞し、重い腰を上げて出発した。
歩き始めてすぐに、明確な異変を感じた。脚そのものに痛みがあるわけではない。ただ、芯からのスタミナが枯渇していた。ふらついて転倒しそうになる自分に、「登るためのエネルギーが残っていない」という現実を突きつけられた。
目の前には、Palisade Lakesへと続く「Golden Stairway(黄金の階段)」と呼ばれる急勾配のスイッチバックが立ちはだかった。まるで亀のような鈍足で、一歩一歩、命を削るように高度を上げていった。



ようやく湖に辿り着き、大量の水を飲み干すと、意識が少しずつはっきりとしてきた。Palisade Lakes周辺の景色は確かに美しかったが、本当の試練はその先に待っていた。
Mother Pass(標高12,100フィート / 3,688m)への登坂。 体調の悪さも相まって、この登りはこれまでの全トレッキング経験の中で、一番キツいと感じた。登れど登れど、峠の頂は見えてこなかった。時間が永遠に引き延ばされたかのような感覚。今までの人生で、これほどまでに一歩が遠いと感じたことがあっただろうか。
限界の淵でようやく辿り着いたMother Passの頂からは、南北両方向に言葉を失うほどの絶景が広がっていた。苦しみ抜いたからこそ、そのパノラマは神々しいまでの輝きを放っていた。
峠を越えた先に広がるUpper Basinの美しさに励まされながら、さらに2マイルほど進み、なんとか今夜のキャンプ地を確保した。
横になりながら、これからの行程を思った。後半の最終週に入ったとはいえ、まだ標高12,000フィート超えの峠が3つも残っている。今日のあまりの過酷さを思い返すと、その現実に戦慄さえ覚えた。明日からは、より一層慎重に、そして覚悟を持って挑まなければならないようだ。











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