Distance: 12 miles (approx. 19.3 km) October 1, 2019
今朝、温度計を確認すると「26°F(約マイナス3.3度)」を指していた。 ついに10月。カレンダーがめくられるのを待っていたかのように、シエラはその厳しさを増しているようだ。外を流れる小川は所々で凍りつき、秋のシエラ高地を甘く見てはいけないと、静かな風景が語りかけてくるのを感じた。
今回携行しているテント「ルナーソロ」のようなシングルウォールのUL(ウルトラライト)テントは、通気性が良い反面、こうした極寒期には冷気がダイレクトに伝わるので、この環境なら、シュラフ(寝袋)はもう一段上のスペックを選ぶべきだったかもしれないとも思いながら、かじかむ体でパッキングを済ませた。





今日の行程は、Le Conte Canyon(ル・コンテ・キャニオン)へと向かう長い下りから始まった。 眼下に広がるキャニオンのパノラマは美しかったが、歩き始めてすぐに異変に気づいた。どうにもエナジーが低く、足に力が入らないのだった。
昨日のMuir Pass越えの疲労か、あるいは昨夜の寒さによる睡眠不足か。 45LB以上の重い装備なので仕方ないとは思ったが、「あと数日、本当にこの体力がもつのだろうか?」 ふとした瞬間に弱気が顔を出した。2週間を越え、極限状態の中で自分を支える精神の糸が、少しだけ細くなっているのを感じた。
下りを終えると、トレイルはLe Conte Canyonに沿って平坦な森の中へと入っていった。 Kings Canyonは、森林限界上の荒々しい絶景もさることながら、低地に広がる静謐な森もまた素晴らしい景色だと思った。その美しさに包まれているうちに、午後になると不思議と体調が上向いてきた。
Glacier Creekの手前で、木々に守られた絶好のキャンプサイトを見つけ、今日は早めに腰を据えることにした。 久しぶりにヨガで身体を整え、キャンプファイヤーを焚いて暖を取った。火の粉が舞うのを眺めていると、さっきまでの弱気はどこかへ消えていた。
3週間の予定で組んだこの一大アドベンチャーも、ついに最終週へ突入した。 目の前には、まだ標高12,000フィート(約3,657m)を超える峠が3つも控えており、最後には最高峰ホイットニー山が待っている。
明日からが、本当の意味での体力的な試練、そして自分との勝負になるだろう。火を消し、冷えゆく空気の中で、私は静かに覚悟を決めた。




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