JMT Day 8:Reds Meadow から Lake Virginia へ — 知性と、出会いと、幸福のトレイル

JMT 2019

走行距離:15マイル(約24km)

バックパッキングに宿る「知性」

朝6時、レッズ・メドウのキャンプサイトで目を覚ました。パッキングをしながら、隣にいたカナダ人の二人組、特にシドニーという娘の身のこなしに目を奪われた。

彼女のパッキングは驚くほど無駄がなく、整然としていた。その手際の良さを見ていると、バックパッキングという行為は、単なる体力勝負ではなく「知性」が問われるものなのだと改めて痛感させられた。道具を選び、限られたスペースに効率よく収め、過酷な環境を生き抜く。その準備のプロセスそのものに、その人の賢さが現れる。

そんな彼女たちに刺激をもらいながら、いつもより少し早い8時半にトレイルへと踏み出した。

かつての記憶と、新しい道

今日の行程は、その8割が深い森林の中だった。単調な景色が続く時間もあったが、Duck Lake Junctionを越えたあたりから、世界が一気に開け、絶景が姿を現した。

ここからPurple Lakeまでの2マイルは、つい先月の8月に友人のKayeと歩いたばかりの道だ。見覚えのある景色が、一ヶ月という短いスパンでまた違った表情を見せてくれた。

17時頃、Purple Lakeに到着。ここで一晩過ごそうと考えたが、テントを張れそうなエリアはすでに混み合っており、風も強くなってきた。「さて、どうしたものか」と場所を探していると、一人のハイカーが声をかけてきた。

最高距離の更新

彼の名前はTad。同じくサウスバウンド(南下)を目指すハイカーだった。 「Virginia Lakeまで行けば、風も遮られてもっと快適なはずだよ」

彼の提案に乗り、二人で目的地を目指すことにした。歩きながら語り合った1時間は、これまでの孤独な歩みとは違う、JMTらしい交流の時間だった。昨夜あたりから、他のハイカーと交わる機会が目に見えて増えてきていた。

18時半過ぎ、到着したVirginia Lakeには言葉を失うほどの絶景が待っていた。ここへ導いてくれたTadに、心からの感謝を伝えた。 結果として、今日は15マイルを歩き切った。今回の旅での最長記録だ。

With fellow JMT hikers I met at Lake Virginia.

迫りくるストームへの備え

テントの中で、これからのスケジュールを練り直した。 Tadによれば、3日後の金曜日にはMTR(ミューア・トレイル・ランチ)に到達する予定だという。彼は「Muir Passで雪が降るかもしれない」と予測していた。もし雪になれば、溶けるまでMTRで2日は足止めを食らうだろうと想定した。

彼の判断は非常に現実的で、説得力があった。ホイットニー山周辺でのシーズン早いストームは恐ろしい。これまではのんびりと構えていたが、明日からはせめて18時までは歩き続け、少しでも早くMTRを目指すべきかもしれないと思った。

幸福の中にいる自分

ヨセミテのHappy Islesを出発して、今日で8日が経った。 重い装備には相変わらず手こずっているが、フィジカルのコンディションは驚くほど良かった。一晩眠れば体は回復し、脚は日を追うごとに強く、この土地に馴染んでいくのがわかった。

何より、メンタルが素晴らしい状態にあった。 ただひたすらに、楽しいと感じた。 目に映るすべての景色の一部として存在していることに、圧倒的な幸福感を感じた。

「今、私はついにJMTを歩いている」

その事実に、ただただ感謝があふれる一日だった。

Virginia lakeは大きくて綺麗だった。

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